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川根茶の特徴や歴史とは|山の空気を含んだやさしく爽やかなお茶

日本茶の生産量第一位を誇る静岡県のブランド茶「川根茶」。

川根茶は静岡県中部の大井川流域で生産されるブランド茶で、黄金の水色と口に入れたときに広がるさわやかな香りが特徴です。

本記事では、深山園のお茶でもある川根茶の概要と歴史、美味しい淹れ方を解説します。

川根茶の特徴

川根茶は、静岡県島田市川根町、静岡県榛原郡川根本町の地域で生産される茶の名称であり、日本茶の中でも特に高い品質で知られています。
お茶は生産地の名前が付いており、静岡県内には他にも本山茶、天竜茶、掛川茶など多くの産地があり、産地ごとの特色があります。
川根で収穫、生産されるから「川根茶」という訳です。
ちなみに、川根茶の読み方は「かわねちゃ」です。

では、川根茶の特徴とは何でしょうか。

その1 川根茶は豊かな自然環境に育まれた味わい

川根地域は、豊かな山岳地帯や清流が広がる自然環境に恵まれています。お茶は囲まれている自然に育まれます。
温暖でありながらも、冬はしっかり寒い、朝晩の気温差がある。実は寒さが好きな茶の木はこうした寒暖差のある環境で川根茶の栽培に最適な条件を提供し、うま味や香りを生み出しています。
また川根を流れる大井川、そして私達が住む笹間地域は大井川へつながる支流の笹間川は、きれいな川にしか生存しないという蛍も住まう清流です。清らかな水と豊かな樹木が茶畑を包み込む中で育つ茶葉は、香り高く、うま味と渋味がある味わいが特徴です。

その2 高い品質と評価

川根茶は、その品質の高さから数々の賞を受賞しており、国内外で高い評価を受けています。繊細な風味と豊かな香り、そして滑らかな舌触りが特徴であり、茶道をはじめとする日本の茶文化を愛する人々からも愛されています。
みる芽と呼ばれるみずみずしく柔らかい新芽を最高のタイミングで収穫して、その香りを残す浅蒸しという伝統的な製法は針のような美しい形状の茶葉を生みます。

その3 栽培と製造の伝統

川根茶の栽培と製造には、伝統的な技術と知識が受け継がれています。茶畑での手摘みや丹念な製造工程により、茶葉が最高の状態で生産されます。また、地域の茶農家や製造業者が、世代を超えて茶の栽培や製造に情熱を注いできたことも、川根茶の品質を支える要因の一つです。お茶を栽培する茶農家をはじめ、昔はお茶摘みさんと呼ばれるベテランの地域の方達が総出で新茶の収穫にあたっていました。そうして地域ぐるみで作り上げているのが川根茶です。
手揉みという伝統的な方法も現代まで受け継がれています。

川根茶の歴史

川根地域の豊かな自然環境や土壌の肥沃さから、古くから茶の栽培が行われ、茶の文化が発展したと考えられています。川根茶の発祥地と年代については、推測や伝承に基づく情報が主に存在しています。
1599年にはすでに茶園が存在し、1641年には年貢として徳川家光に献上されたと記録されていることから、川根茶の歴史は400年にのぼることが判明しています。
坂本藤吉、村松嘉蔵、中村藤五郎、諸田新左衛門の4人の茶匠が活躍し、川根茶を発展させた明治時代には、海外輸出もさかんに行われていました。
大正初期に中村光四郎翁が考案した「川根揉切流」は、静岡県内の手揉み八流派のひとつであり、川根茶の伝統製法となっています。
川根茶の発祥地は静岡県川根であり、その歴史は古く、茶の栽培が古代から行われてきた豊かな茶の産地です。


川根茶の淹れ方

川根茶の淹れ方についてご紹介します。
川根茶は、深い味わいや香りが特徴であり、適切な淹れ方をすることでその特性を最大限に引き出すことができます。

準備と淹れ方

お茶の用意: 川根茶を淹れる際には、新鮮で良質な茶葉を使用します。茶葉は十分に乾燥していることを確認し、適切な量を用意します。通常、一人分のお茶につき茶さじ1杯分₍小さじ1杯分₎程度が適量ですが、好みに合わせて調整してください。

お湯の用意: 川根茶を淹れる際には、70~80°C程度の温度のお湯を用意します。熱い温度ではしぶ味が、ぬるめの温度ではうま味とあま味が出てきますのでお好みに合わせてお淹れください。熱すぎるお湯では風味が損なわれるかもしれませんのでお気を付けて下さい。

急須や湯飲みの準備: 淹れた川根茶を注ぐための急須や湯飲みを用意します。急須がない場合は、湯飲みやマグカップなどでも代用できます。

茶葉の注ぎ入れ: 急須や湯飲みに茶葉を注ぎ入れます。茶葉の量は、淹れる量や個々人の好みによって調整してください。一般的には、1人分のお茶につき茶さじ1杯分₍小さじ1杯分₎程度が適量です。

お茶の淹れ方

お湯の注ぎ入れ: 用意したお湯を急須や湯飲みに注ぎ入れます。茶葉にかぶる程度の量を注ぎ、茶葉を十分に湿らせるようにします。急須や湯飲みにお湯を注ぐ際には、軽く円を描くようにして、茶葉全体に均等にお湯を注ぎます。

蒸らし時間: 茶葉にお湯を注いだら、蓋をして約1分程度蒸らします。この時間は茶葉の種類や好みによって異なりますが、一般的には1分以程度が適切です。お湯が暑い場合は40秒程、ぬるめの場合は60秒ほど置いてください。

注ぎ分け: 蒸らし時間が経ったら、急須や湯飲みからお茶を注ぎ分けます。茶碗やカップに注ぐ際には、茶葉が入らないように注意して注いでください。人数が多い場合はまわし注ぎと言って、順番に少しずつ注いでいく事で均等な味わいのお茶がいれられます。

お召し上がり: 注いだお茶をゆっくりとお召し上がりください。川根茶の深い味わいや豊かな香りを楽しんでください。

まとめ

以上が、川根茶の概要です。自然豊かな環境で育まれた茶葉から生まれる独特の風味や品質は、茶好きな人々にとって魅力的な銘柄となっています。